皆さんは「UXリサーチャー」が普段どのような業務を行っているか、イメージできますか?インタビューを行ったり、結果をまとめたり…なんとなく想像はつくけれど、具体的にどんな業務があるか・インタビュー以外の時間は何をしているか、分からない部分も多いのではないでしょうか?
今回は、認知工学ラボに所属するとあるリサーチャーに1週間密着し、どんな業務を行っているか探ってみました。謎に包まれたリサーチャーの業務や、認知工学ラボの一員として過ごす日々の実態をリアルにお届けします!
今回密着するUXリサーチャー
Fさん
認知工学ラボにてUXリサーチャーとして勤務。データ分析を用いた研究を経て、定量調査とは異なるアプローチで分析をするUXリサーチに興味を持つ。現在は、主にUX/ユーザビリティ問題の調査・分析に携わり、ユーザーの視点に立った問題抽出・改善案の提案を行っている。
Fさんの1週間
月曜日
8:00 出社
Fさんは、感染症対策として、満員電車を避けた8:00~17:00の時差勤務を選択しているので、チーム内で一番早く出社します。
早起きは得意なので、余裕で出勤できます!その分、早い時間に帰ることができるのがメリットです。
8:30~ インタビュー調査に向けた計画
木曜日のインタビュー調査に向けて、調査設計やインタビューガイド(インタビューの流れなどを記載した、当日確認する資料)の作成をします。
12:30~ ランチ
自席で昼食をとったり、外に食べに行ったりとランチのスタイルはまちまちです。Fさんはこの日、持参したお弁当を自席で食べ、お昼休みが終わるまでSNSチェックをしたり、少し仮眠をとったりしていました。
13:30~ 英会話レッスン
認知工学ラボでは、業務時間内に受けられる英会話プログラムがあります。海外の案件では英語を使った業務が求められるため、Fさんも毎週30分、レッスンを受けています。
英会話はずっと避けてきていて苦手意識が強かったのですが、レッスンのおかげで少しずつ慣れてきました。クライアントや海外スタッフとスムーズに話せるようにもっと頑張りたいです!
14:00~ 内定者向け講義の準備
リサーチャーは、通常のインタビュー案件とは別に、社内外向けのセミナーや講義などのタスクを担当することがあります。Fさんは現在次年度の内定者向けの研修を担当しているため、案件業務の合間にその準備も行います。
講義ではUXの基礎知識などを説明する予定なので、基本に立ち返るために書籍を確認することがよくあります。自席のすぐ近くにチームが所有する書籍の棚があり、UXに関する本をはじめ、定性調査(マーケティングリサーチ、エスノグラフィなど)やデザイン、エンジニアリングなどの本が和英問わず並べられているので、困ったときによく利用しています!
17:00 退社
火曜日
今日はFさんのリモート勤務日なので、密着はお休み。 引き続きインタビューの準備を行ったり、インタビュー実施に必要な事務処理など、在宅でできる業務を行います。 お昼休みにこんな写真が届きました!今日の昼食とのことです。
昼休みの時間にご飯を作って食べたり、近くのお店にランチにでかけたりと、リモートならではの過ごし方ができます。現在は、週1~2日、リモート勤務しています。 出社するほうがコミュニケーションはとりやすいけど、ひとりで集中してこなしたい作業はリモートのほうが捗ります!また、リモート環境を整えていたら部屋がきれいになりました!これは思わぬ副産物でした。
水曜日
8:00出社
8:30~ インタビューで使う素材の準備
いよいよ明日はインタビュー本番。今回の案件では、実際のサイトを模した試作品を使ってインタビューを行うため、きちんと動くか最終チェックを行います。
インタビューがきちんと成立する試作品になっているかを確認して、適宜直していきます。リサーチャーはビジュアルデザインを作成することはありませんが、このように試作品を作ったり直したりする必要があるので、基本的なツール知識が身につきました。
10:00~ 機材のセッティング
認知工学ラボにはインタビュー専用のスタジオがあります。今回のインタビューに向けて、マイクやカメラなどの機材をセッティングします。
13:00~ 遅めのランチ
お昼休みの時間を使ってセッティングを行ったので、ランチの時間をずらしたFさん。 メンバーとご飯を食べる時間がずれるので、今日は近くのお店に入って昼休みを過ごしました。
西新宿はオフィス街なので、ランチ向けのお店が充実しています。ぜひお気に入りのお店を探してみてください!
14:00~ リハーサル
インタビューの段取りに問題がないか、チームメンバーを参加者役にしてリハーサルを行います。実際と同じような流れで通してみて、微調整が必要な点が見つけられました!
16:00~ インタビューに向けた最終調整
リハーサルで出てきた修正点を反映して、段取りやインタビューガイドを最終化します。 作業中に「当日の参加者が全員問題なく参加できる」という最終連絡を受けとったFさんは、一安心の様子でした。
17:00 退社
インタビューは意外と体力勝負なので、明日の本番に向けてしっかり休息をとろうと思います。
木曜日
8:00 出社
8:30~ 参加者待機
インタビュールームの最終チェックをして、参加者が来るのを待ちます。
10:00~ インタビュー
いよいよ本番です!60分間のインタビューを計6人分、休憩をはさみながら実施します。
準備を入念にしたかいあって、アクシデントなくインタビューを終えられました。エネルギーのいる業務ですが、 参加者から思いもよらぬ改善のヒントをもらえることがあったりして、毎回楽しみです。
18:00~ クライアントとインタビューの振り返り
すべてのインタビューが終了後、クライアントとの振り返りをオンラインで行い、インタビューで発見できた課題点をまとめます。
19:00 退社
金曜日
8:00 出社
8:30~ レポート作成
振り返りでまとめた内容をベースに、インタビューの報告書を作成していきます。参加者の発言・行動から心理的な考察を行っていく作業のため、しばしば考え込む様子が見られました。
レポート作成は、特に問題の本質を捉えるときに頭を悩ませています。一見関係ないと思っていた問題が本質的には一緒だったりして、面白さと難しさのどちらもあるなぁ……と感じます。 うーん、考えれば考えるほど考察が複雑になってきた……。
14:00~ 息抜き
レポート作成に煮詰まった様子のFさん。オフィスを出ていき向かった先は…?
どうやらオフィスの下に併設されているコンビニに行き、おやつを買ったようです。
ずっとPCに向かっていると思考が凝り固まってしまうので、少し外の風を浴びようと思いました。
14:15~ 次回案件の準備
認知工学ラボのリサーチャーは、基本的に2~3個程度の案件を掛け持ちして回していきます。1つの調査を終えたばかりのFさんも、レポート作成の合間に早速次の案件の準備に取りかかっていました。今回の案件は、実際のユーザーに話を伺うインタビュー案件ではなく、リサーチャーが専門的知識を用いて評価を行う「エキスパートレビュー」の案件のようです。
15:00~ レポート作成再開
買ってきたおやつをデスクでつまみながら、再びレポート作成を始めます。 気分転換のかいあってか、先ほど悩んでいた問題には解決の糸口がみつかったようでした。
17:00 退社
レポート作成をキリの良いところで切り上げ、今日のところは定時で帰ることに。1週間お疲れさまでした!
通常、レポートは2週間程度かけて書き上げるので、今日のところはこの辺にしておきます。まだまだ考察するポイントは残っているので、土日にゆっくり休んでまた月曜頑張ろうと思います!
以上、UXリサーチャーFさんの1週間の様子でした。インタビューをメインとして、付随する作業や案件外の対応など、さまざまな業務を行っていることが理解いただけたかと思います。UXリサーチャーの業務に興味を持った方は、ぜひ私達のチームの一員になりませんか?
WEBディレクターからUXリサーチャーに転身。サービス評価・改善やニーズ探索などのリサーチ業務を中心に行いつつ、共創的デザイン手法の開発にも携わっている。